TOPへ

麻痺・脱力・力が入らない

手足に力が入らない、麻痺…
このような症状はありませんか?

手足に力が入らない、麻痺…このような症状はありませんか?
寝起き、ひどく疲れている時など、手や足に力が入らない、動かしづらいといったことがあるかもしれません。こういった症状は、すぐに回復するようでしたら基本的に問題ありません。
しかし、症状が繰り返される場合、何日も続く場合、他にも症状が併発している場合には、医療機関の受診が必要です。場合によっては緊急の治療が必要となることもあるため、症状を適切に見分け、対応しましょう。

手においては主に、以下のような症状が見られます。

  • ペンや箸がうまく持てない、使えない
  • シャツのボタンをスムーズに留められない
  • 物をうまく掴めない、不意に落としてしまう
  • 何となく手が重い感じがする、だるい
  • 手だけでなく、腕にも症状がある

足・脚

足・脚においては、主に以下のような症状が見られます。

  • 太もも、ふくらはぎ、足などに力が入りにくい
  • 歩きづらい、休み休みでないと歩き続けられない
  • 歩行時に痛みが出る
  • ふわふわとして地に足がつかない感じがする
  • 足裏の感覚が鈍い、紙を一枚踏んでいるような感覚がある

麻痺などの違和感が、顔に現れることもあります。違和感がある時には、すぐに鏡でチェックしましょう。

  • まぶた、口が自由に動かせない
  • 普段のように表情が出せない、左右対称でない
  • 自然に涙があふれてくる
  • 咀嚼や嚥下がしにくい
  • まぶたの異常で視野が狭くなった

急な麻痺・力が入らないのは
危険なサイン

受診を急ぐ症状

  • 片方の手足、身体の片側に麻痺が出ている
  • 呂律が回らない、言葉が出づらい
  • 視野に異常がある
  • バットで殴られたような激しい頭痛
  • 吐き気・嘔吐
  • めまい・意識障害

身体の片側の麻痺など、上記のような症状がある場合には、脳梗塞や脳出血などが疑われます。すぐに救急外来を受診してください。

脳卒中以外の原因として
考えられるもの

  • 頚椎症
  • 周期性四肢麻痺
  • ギランバレー症候群
  • 重症筋無力症
  • 筋萎縮性側索硬化症(ALS) など

麻痺・力が入らない原因① 
脳の病気

脳の病気で現れる症状

  • 身体の片側の麻痺、動かしづらさ
  • 呂律が回らない、言葉が出づらい
  • 頭痛
  • 吐き気・嘔吐
  • めまい・意識障害

麻痺をもたらす脳の病気

脳梗塞・脳出血

身体の片側の麻痺、呂律が回らない、吐き気・嘔吐、めまい、意識障害などの症状を伴います。
高血圧や糖尿病のある方、動脈硬化が進行している方は特に注意が必要です。

脳腫瘍

良性・悪性問わず、大きくなると脳を圧迫・障害します。
圧迫される部位により異なりますが、運動麻痺、言語障害、視力障害などの症状が見られます。

慢性硬膜下血腫

頭部を打った後、1~2カ月ほどをかけ、硬膜とくも膜の間の出血が血腫となります。血腫による圧迫によって、麻痺、脱力、頭痛、吐き気、手足のしびれ、認知機能の低下、尿失禁などの症状が引き起こされます。

麻痺・力が入らない原因② 
脊髄の病気

脊髄の病気で現れる症状

  • 手足に力が入らない
  • 四肢の痛み
  • 手足の筋力低下、痩せ
  • 首、腰の痛み

麻痺をもたらす脊髄の病気

変形性頚椎症

加齢や激しい運動、外傷などを原因として、頚椎が変性し、神経を圧迫します。
首の痛みや手のしびれ、指先の感覚低下といった症状を伴います。

椎間板ヘルニア

背骨の脊椎骨と脊椎骨の間にあり、クッションの役割を担っている「椎間板」が、激しい運動・不良姿勢による負荷、加齢に伴う変性によって飛び出してしまう病気です。
神経が圧迫されることで、頚椎で生じた場合には主に上肢の痛みやしびれを、腰椎で生じた場合には主に下肢の痛みやしびれを伴います。

後縦靭帯骨化症

後縦靭帯が骨のように硬く大きくなり、神経を圧迫する病気です。
手足のしびれや細かな作業の困難、歩行障害などの症状を伴います。

腰部脊柱管狭窄症

腰部の脊柱管(神経の通り道)が狭くなることで、神経が圧迫される病気です。腰痛や脚のしびれ、歩きづらさ、間欠性跛行、下肢の筋力低下といった症状を伴います。

麻痺・力が入らない原因③ 
末梢神経の病気

末梢神経の障害で
現れる症状

  • 手や手指の麻痺
  • 手指を真っすぐ伸ばせない
  • 手足の筋力低下、痩せ
  • 手足の発汗障害、知覚異常

麻痺が現れる末梢神経の
病気

手根管症候群

手・手指の動きや感覚を司る正中神経が障害される病気です。
親指・人差し指の麻痺、親指の付け根の痩せ、手の痛みなどの症状を伴います。

肘部管症候群

尺骨神経の慢性的な圧迫などを原因として発症する病気です。初期には、小指・薬指のしびれが見られます。進行すると、小指・薬指の変形、手の筋肉の痩せが起こります。

顔面神経麻痺

顔の表情筋を支配する顔面神経が麻痺し、動きが悪くなる病気です。ほとんどの患者さんで、症状は顔の片側に現れます。ウイルス感染、外傷、脳腫瘍、中耳炎、糖尿病、白血病、ギランバレー症候群など、さまざまな原因があります。

顔面けいれん

まぶた、頬、口まわりなどがピクピクと動いてしまう状態を指します。ほとんどの患者さんで、症状は顔の片側に現れます。
多くは、顔面神経に動脈が接触することが原因であり、病的なものではありません。しかし、抗けいれん剤、ボトックス注射などによる治療は可能です。症状が強い場合は手術が有効な場合があります。
また、稀ではありますが脳腫瘍が原因になっていることもあります。

麻痺・力が入らない時の検査

問診

どのような時にどのような症状が出るのか、症状にいつ気づいたか、既往歴、服用中の薬などについて詳しくお伺いします。
問診の結果に応じて、MRI検査やCT検査、血液検査などを行います。

MRI

頭部については、脳梗塞、脳出血、脳腫瘍、頚動脈・頭蓋内動脈の狭窄や閉塞の有無などを調べます。
また頚椎や腰椎についても調べ、椎間板ヘルニアなどの疾患の有無を確認します。

CT

主に、脊椎骨の状態を観察します。特に、脊椎骨の骨折、靭帯骨化症の診断に適しています。

採血検査

ウイルスや細菌の感染が疑われる場合、糖尿病が疑われる場合など、必要に応じて実施します。

生活習慣が原因の麻痺・
脱力の対処法

麻痺や脱力は、生活習慣の乱れによって引き起こされることもあります。
まずは医療機関を受診し検査を受けることをおすすめしますが、原因疾患が見つからない場合など、以下のような方法で麻痺・脱力が改善することがあります。

睡眠・休息を取る

睡眠・休息を取る
仕事、スポーツなどで蓄積した疲労、ストレスを取り除くための睡眠・休息をしっかりと確保しましょう。ただし、休日に寝だめするような方法は避け、規則正しい生活リズムを維持するようにしてください。しっかりと水分をとることも重要なポイントです。

過度な食事制限は避ける

過度な食事制限は避ける
近年、健康志向の高まりからダイエットに取り組む人が増えています。しかしその中には、食事を抜く、糖質や脂質をまったく・ほとんど摂らないといった極端な食事制限をしている方も少なくありません。
過度な食事制限はエネルギーの不足、身体や心の不調を招く原因となります。しっかりと水分をとることも重要なポイントです。