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脳神経外科疾患

頭痛

風邪をひいた時やなんとなく体調が悪い時などにも起こる「頭痛」は、私たちにとって身近な症状の1つです。
風邪や体調不良を原因とする場合、それらの問題が解決すれば頭痛も治まります。
一方で、原因のよく分からない、慢性的な頭痛でお悩みの方がたくさんおられます。そしてその中には、「そういう体質だから」と治療を諦めている方が少なからずいらっしゃいます。
頭痛は、そのタイプを見極め、適切な治療を行うことで改善や予防が可能です。また、いざ受診してみると重大な脳の病気が見つかるということもあります。
慢性的な頭痛にお悩みの方は、その程度に関わらず、生活の質の改善・病気の早期発見のために当院にご相談ください。

頭痛の種類

一次性頭痛

原因となる疾患が特にない、「頭痛そのものが病気」と言えるタイプの頭痛です。

緊張型頭痛

肩、首の筋肉の緊張などを原因として、頭全体が締め付けられるように痛むタイプの頭痛です。
毎日のように長時間のパソコン作業をする方、夜間の長時間運転をする方によく見られます。
有病率の高い一次性頭痛と言えます。

片頭痛

頭の片側または両側に、ズキンズキンといった拍動性の痛みが現れます。片頭痛という名前ですが、片側が痛むのは約6割であり、残りの約4割では頭の両側が痛みます。
片頭痛は、ストレス、過労、光・音・においによる刺激、ホルモンバランスの変化などによって三叉神経が刺激され、炎症物質がつくられることで発症するものと考えられています。
後にご紹介する緊張型頭痛と片頭痛、両方にお悩みの方も少なくありません。

群発性頭痛

片側の目の奥をえぐられるような、強烈な痛みに見舞われる頭痛です。一般的な頻度は年に1~2回程度ですが、発症時には数週間~数カ月にわたって、毎日ほぼ同じ時間帯に上記の頭痛が現れます。また、1日に何度も繰り返されるという患者さんも見られます。
緊張型頭痛や片頭痛と比べると、有病率は低くなります。はっきりとした原因については未だ解明されていませんが、圧倒的に男性に多く見られます。

二次性頭痛

脳腫瘍やくも膜下出血、脳動脈解離などの病気を原因として起こるタイプの頭痛です。
いつもと違う頭痛」を感じた時には、できるだけ早くご相談ください。また、場合によっては、救急外来の受診が必要になります。

二次性頭痛の主な原因

脳腫瘍

脳腫瘍の多くは良性ですが、その場合も大きくなり脳の組織を圧迫すると、頭痛や手足のしびれ・麻痺、視力障害など、腫瘍の部位によって異なる、様々な症状が現れます。
早期に発見し、適切な治療、あるいは慎重に経過観察を行うことが大切です。

くも膜下出血

主に脳動脈瘤の破裂によって、くも膜下腔に急激に血液が流入した状態です。バットで頭を殴られたような強烈な頭痛、吐き気・嘔吐、意識障害、けいれんなどの症状を伴います。すぐに救急外来を受診してください。
なおくも膜下出血の主な原因となる脳動脈瘤では、破裂するまで、ほとんど自覚症状がない場合がほとんどです。脳ドックなどで早期発見し、必要な治療・経過観察を行うことが大切です。

脳動脈解離

脳動脈の血管壁の中に出血をきたし、動脈壁が裂けた状態を指します。頭、そして首に突然の激しい痛みが現れます。すぐに救急外来を受診する必要があります。
また脳動脈解離は、くも膜下出血、脳梗塞、脳虚血発作などを引き起こすことがあります。

認知症

ものごとを記憶する・判断するといった「認知機能」が低下し、日常生活に支障をきたす病気です。
5分前の話を思い出せない、約束を忘れてしまい指摘されても思い出せない、家事など習慣的な行為の手順が分からなくなる、ボーッとしていることが増えた、簡単なことを判断できないといった症状に気づいた時には、お早めに当院にご相談ください。もちろん、ご家族様からのご相談も承ります。
生活指導、リハビリテーションも有用ですし、一般的な内服薬や貼付剤による治療も症状の進行を緩やかにしてくれる場合もあります。また、認知症も関係する怒りっぽさや性格変化などにも細かく対応します。新しい治療の診断も行うことができます。比較的認知機能が保たれている必要がありますが、新薬である、抗アミロイドβタンパク抗体薬を投与できる患者さんかどうか判定することは当院でも可能です。認知機能検査・MRI検査を行い、腰椎穿刺による髄液検査をします。複数回の受診が必要になります。その上で、抗アミロイドβタンパク抗体薬を投与可能な病院をご紹介させていただきます。

脳卒中後遺症・頭部外傷後遺症


脳梗塞や脳出血、くも膜下出血といった脳卒中や、様々な頭部外傷の後遺症として障害が残り、日常生活に支障をきたすことがあります。
当院では、こういった脳卒中や頭部外傷の後遺症に対して、リハビリテーションを行っております。退院後の生活が不安、リハビリを受けられるクリニックをお探しという方は、ぜひ一度ご相談ください。

てんかん

てんかんは、慢性の脳の病気で、大脳の神経細胞が異常興奮することで生じます。発作は突然起こり、通常とは異なる体の症状や意識・運動・感覚の変化などが生じます。明らかなけいれん発作があれば、てんかんの可能性は高いと言えます。
脳卒中、頭部外傷、脳腫瘍など様々な、頭のダメージにより二次的にてんかんが生じる場合もありますが、若い頃からけいれん発作を繰り返す場合もしばしば見られます。
てんかんの患者さんが安全に生活できるように、生活指導・内服治療を行うことが必要です。
一方で、外科的に脳の焦点を切除したり、重症化を防いだりする外科的治療も重要です。当院では、必要な患者さんには、外科的治療が行える施設を紹介させていただきます。

パーキンソン病

身体を動かすための脳からの指令を調整する「ドパミン」の減少によって、身体の震え・動作緩慢・筋肉のこわばり・転倒しやすくなるなどの症状が引き起こされます。
50歳頃から罹患率が高くなりますが、40代やそれ以下でも発症することがあります。
薬物を用いた内科的治療や脳に電極を刺入するような外科的治療がありますが、完全に治すことができる治療法はありません。しかし、リハビリテーションや対症療法によって症状を緩和することが可能です。外科的治療が必要な患者さんには適切な施設をご紹介いたします。

脳腫瘍

脳腫瘍の多くは良性ですが、その場合も大きくなり脳の組織を圧迫すると、頭痛や手足のしびれ・麻痺、視力障害など、腫瘍の部位によって異なる、様々な症状が現れます。
早期に発見し、適切な治療、あるいは慎重に経過観察を行うことが大切です。

糖尿病性・アルコール性末梢神経障害

糖尿病の合併症として、あるいは長期にわたる多量飲酒によって、末梢神経が障害された状態を指します。手足のしびれ、深部感覚の低下、歩行障害などの症状を伴います。
当院では、生活習慣指導や薬物療法による糖尿病性・アルコール性末梢神経障害の治療を行っています。